相思相愛・夫婦の日常~マオさん♡ヒメさん編~
飲み会当日。

「マオさん」
出ていく準備をしている真皇に声をかける。

「はい」

「待ち合わせ場所の近くまで、ついていっていいですか?」

「え?もちろん、いいですよ。
でも、どうしました?」

「………」

「ヒメさん?」

「あの……私が“行け”って言ったんですが、なんだか寂しくなっちゃって……
ごめんなさい」

「だったら、行くのやめましょうか?」

「あ、それはダメです!」

「俺は、全然構わないですよ?」

「ダメです!
こうゆうワガママは、嫌です」

「そうですか?」

二人は手を繋ぎ、マンションを出た。
「何処で待ち合わせなんですか?」

「◯◯っていう居酒屋です」

「あ!あー、最近よく聞きますその居酒屋さん」

「そうなんですね」

「えーと、確か…つくねが美味しいらしいですよ?」

「へぇー、食べてみますね!
で、口に合いそうなら、今度行きましょ?」

「はい!」


居酒屋の前に着くと、なにやら客と店員がもめていた。
「━━━━━あ、シゲル?」

「あ!マオさんだ!」

「なんだ、あれ」

「あ、なんかー、ダブルブッキングされたみたいでナカバさんが怒っちゃって……」

「は?」

「でもたぶん…俺達がガラが悪いから、店に入れたくないのかも?」

「なんだ、それ」
「酷いですね」

「ん?マオさん、こちらは?」
そこで、シゲルが姫華に気づく。

「あー、俺の嫁さんだ」
「あ、ごめんなさい!
ご挨拶もせずに…
妻の姫華です!
こんばんは!」
姫華は、ペコッと頭を下げた。

「えー!ま、ま、マオさん結婚したんすか!!?」

「あぁ。
それよりも、どうするんだ?」

「マオさん、私が話つけましょうか?」

「え?ヒメさんがですか?」

「はい。
こうゆうの、許せません!!」
スタスタと、真皇の仲間達や店員のいる所へ向かった姫華。
真皇とシゲルも、慌てて追いかけた。

「━━━━だから!
ダブルブッキングしたのは、お前だろ!?
どうにかしろっつってんの!!」

「ですが、どうしようも……
あまり騒がれると、他のお客様の迷惑に………」

「はぁぁ!?
元はと言えば、お前が悪いんだろ!?」

「ですからそれは、謝ります!
でも、こちらもあまり騒がれると困るので……
お引き取りを━━━━━」

「なんだよお前、なんかあんの?」

「え?」

「俺達を入れたくない何かがあんじゃねぇの?って聞いてんの!?」
「俺達、これでも客だよ?」

「え?そ、そんなことは……」

「おい、ナカバ!みんなも!落ち着け!」
そこに、真皇の声が響いた。
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