生贄教室
こうして1時間に1人友達を失うのを、ずっと見ていることなんてできない。
それならいっそ、次は自分が。
そう思って昂輝を見つめる。

昂輝の姿を死の寸前まで焼き付けたおきたいと思ったのだけれど、涙で視界が滲んで、それもうまくはいかなかった。
「美麗?」
美麗の心の異変に気がついた様子で、不安げに名前を呼ぶ昂輝。

と、そのときだった。
「あんたなんかと同じ高校に行こうと思わなければよかった!」
そんな悲鳴が聞こえてきてふたりは同時に視線をむけた。

郁が雄太へむけて怒鳴っている。
「ちょっと、どうしたの?」
突然のことに驚いて声をかけたのは恵子だ。

郁と雄太はさっきまで仲睦まじく並んで座っていたはずだ。
互いに励まし合っていたし、関係は良好だったはずだ。
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