生贄教室
「雄太……」
好きな人から突き放されて恵子は一瞬よろめいた。
すぐに机に手をついて自分の体を支える。

「私も恵子がいいと思うよ?」
理沙がそこに参戦してきた。

美麗と昂輝がなにも言わなくても、多数決を取れば決定する人数だ。
「やだ……」
美麗は後退りしてみんなから離れる。

それを追い詰めるようにみんなが美麗にジリジリと近づいてくる。
「私だって……私だって好きだったんだから!」
その叫びに雄太が痛みを感じたような表情を浮かべる。

だけど今更自分の考えを返るようなことはしなかった。
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