生贄教室
さっきの出来事で一気に疲れが押し寄せてきたのか、毛布にくるまって気持ちよさそうにしている。
「でもさ、次のことも考えないといけないよね」

そう言ったのは理沙だった。
いつの間にか目を開けている。
やっぱり、ちゃんと眠れていたわけじゃなさそうだ。

「次の生贄ってこと?」
妙子の問いかけに小さく頷く。
それは誰もが考えていたことだったけれど、話し合う気力は残されていなかった。

今まで生贄になってきた生徒たちはみんな、なにかしらの問題を抱えていたこともある。
だけど、自分たちになにも問題がないのかと問われれば、そんなこともなかった。

大なり小なり問題は抱えている。
自分の心の黒い部分だってある。
< 135 / 222 >

この作品をシェア

pagetop