生贄教室
その負の部分の大きさを競って次の生贄を決めることなんて、きっとできない。
「ひとつ、提案がある」
理沙がずっと考えていた。

という様子でみんなへ向けていった。
「なに?」
妙子が先を促した。

「S組って進学クラスでしょ? だから、本来の目的通り、テスト結果で決めたらどうかな?」
理沙はそう言うと教卓の上を指差した。

そこには最後の授業で行ったテストの解答用紙が残されている。
あれは採点されていないままのはずだ。
みんな、まだ自分の点数を知らない。

「採点してみるか」
昂輝が呟く。
残ってるメンバーの中で大きく順位が別れることはないはずだ。
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