生贄教室
一番成績が悪かったのは利秋と清のふたりだし、そのふたりがいなくなった今、多少の差はあれど公平なジャッジが下せるはずだった。
「そんな……」
小さな声で言ったのは郁だった。
さっきのことがあったせいか、自分の成績に自信がなくなっているのだろう。
みんながテスト採点をすると言い出してから顔色が悪い。
「大丈夫。郁の成績どんどんよくなって来てたじゃないか」
雄太が郁の手を握りしめて慰める。
郁は何度も頷いた。
後はもう自分を信じるしかなかった。
美麗と昂輝はテストに自信はあるけれど、全員がS組の生徒なのだ。
油断していれば、すぐにでも追い越されてしまうだろう。
「みんな赤ペンだけ持って。自分の答案用紙は別の人に採点してもらおう」
理沙がいなくなった人の分の答案用紙も一緒にくばり始める。
不正がないように、持つのは赤ペンのみだ。
「そんな……」
小さな声で言ったのは郁だった。
さっきのことがあったせいか、自分の成績に自信がなくなっているのだろう。
みんながテスト採点をすると言い出してから顔色が悪い。
「大丈夫。郁の成績どんどんよくなって来てたじゃないか」
雄太が郁の手を握りしめて慰める。
郁は何度も頷いた。
後はもう自分を信じるしかなかった。
美麗と昂輝はテストに自信はあるけれど、全員がS組の生徒なのだ。
油断していれば、すぐにでも追い越されてしまうだろう。
「みんな赤ペンだけ持って。自分の答案用紙は別の人に採点してもらおう」
理沙がいなくなった人の分の答案用紙も一緒にくばり始める。
不正がないように、持つのは赤ペンのみだ。