生贄教室
美麗の成績は上位なので、問題は次に点数の低い生徒だった。
理沙が震える手でテスト結果を確認していく。

1枚また1枚と確認する打ちに、とうとう最後まで点数を確認し終えてしまった。
清と利秋の次に点数が悪かった生徒は……。
「仁」

理沙の声が教室後方まで響く。
それほど大きな声じゃなくても、外からの音も聞こてこない今、その声はとても大きく聞こえてきた。

名前を呼ばれた仁が口をパクパクさせる。
なにか言いたいけれど言葉は出てこず、そのまま顔面蒼白になっていく。

「嘘でしょ、仁が次の生贄だなんて」
そう言ったのは妙子だった。

妙子は大きく目を見開いて仁を見つめている。
「採点間違えてるんじゃないの?」
< 139 / 222 >

この作品をシェア

pagetop