生贄教室
「それって何年後の話?」
美麗は楽しくなって声を出して笑った。
それくらい一緒にいられればいい。

勉強できなくても、高校受験に失敗しても、ただふたりでいることができれば、それは最高に楽しい人生になるはずだから。
「昂輝が免許を取るなら、私も取るよ。それで、交代で運転しようね」

「いいな。それを動画配信とかしてさ。収入になったりして」
「私達配信者になるの?」
「そういう未来があってもいいなってこと」
うん。

悪くないと思う。
ふたりで配信者になって、全国を回る。
毎日が楽しくて彩られているだろう。

楽しい会話をしているとあっという間に時間は経過していく。
気がつけば外の化け物がのそりと体を持ち上げていた。
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