生贄教室
化け物の巨体が月明かりを遮り、ふたりは会話を止めた。
窓の外に立ち上がる化け物はすでに校舎を追い越している。
美麗と昂輝は自然と窓から身を離していた。
「いつの間にこんなに大きくなったの」
毛布にくるまった郁が呆然と化け物を見つめる。
窓から見えるのは化け物の首あたりだけだった。
縦にも横にも大きくなっているのがわかる。
「次はどうするんだ。次は」
焦ったように言ったのは雄太だった。
青ざめた顔で立ち上がり、無意識に後ずさりをしている。
そんな雄太がなにかにつまづいてこけそうになった。
振り向いて確認するとそこには郁と同じように毛布にくるまっている妙子の姿があった。
さっきまで聞こえてきていた泣き声が今は聞こえてこない。
雄太はその場に膝をついて、そっと毛布をはぐってみた。
頭まで毛布をかぶって泣いていた妙子が、今は寝息を立てている
窓の外に立ち上がる化け物はすでに校舎を追い越している。
美麗と昂輝は自然と窓から身を離していた。
「いつの間にこんなに大きくなったの」
毛布にくるまった郁が呆然と化け物を見つめる。
窓から見えるのは化け物の首あたりだけだった。
縦にも横にも大きくなっているのがわかる。
「次はどうするんだ。次は」
焦ったように言ったのは雄太だった。
青ざめた顔で立ち上がり、無意識に後ずさりをしている。
そんな雄太がなにかにつまづいてこけそうになった。
振り向いて確認するとそこには郁と同じように毛布にくるまっている妙子の姿があった。
さっきまで聞こえてきていた泣き声が今は聞こえてこない。
雄太はその場に膝をついて、そっと毛布をはぐってみた。
頭まで毛布をかぶって泣いていた妙子が、今は寝息を立てている