生贄教室
毛布にくるまりジッと目を閉じていると、自然と眠気が襲ってきた。
このまま眠るのは少し怖かったけれど、それでも美麗は夢の中へと引き込まれていったのだった。

それは幼い頃の夢だった。
家族で遊園地へ行った時の夢だ。
美麗の9歳の誕生日に連れて行ってもらったとは、隣町にある大型の遊園地。

そこには沢山のキャラクターたちがいて、色々なパフォーマンスをしていた。
沢山のアトラクションにも乗って、まるで夢のような1日を過ごしたのだ。

「ママ~パパ~早くこっち!」
幼い美麗が両親を手招きしてアトラクションへ向かう。
次は気球に乗りたい。

あれに乗ったら空高くまで舞い上がることができる。
「はいはい。ちょっと待ってね」
ママとパパは呆れながら美麗についていく。
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