生贄教室
ふたりは手をつないで寄り添って、初めてのキスをしたのだ。
受験で抱えていて不安やストレスが一瞬にして吹き飛んでいくようだった。
身を離すと互いに目を見交わせたけれど、照れくさくてすぐに視線を外した。

「このままずっと一緒にいよう」
「うん。そうだね」
あの夕日がどこまでも海を照らしているように、ずっとずっと一緒にいよう。

すべての初めてを雄太と共に経験して行こう。
そう、思ったのだった。
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