生贄教室
☆☆☆

楽しい出来事を思い出すと不安や恐怖は消えていた。
私は雄太と約束したんだ。
ずっと一緒にいると。

だから大丈夫。
雄太はきっとすぐに迎えに来てくれる。

郁がベランダへ出た時、化け物がゆらりと立ち上がった。
その体調は3回のベランダからでも見上げないと頭部が見えないほどの大きさに鳴っている。

雄太を食べて、その血肉を使って成長した化け物。
この中に雄太はいる。

郁は化け物へむけて大きく両手を広げた。
怖くない。
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