生贄教室
理沙はまた唾を飲み込んでそっとその紙に手を伸ばした。
カサカサとした感触がやけに手につくと思ったら、自分の手が随分と乾燥していることに気がついた。
そういえば水分補給もろくにしていなかったことを思い出した。
次々といなくなるクラスメートたちを間近で見てきて、通常の喉の乾きを忘れて閉まっていたのだ。
箱の中にはまだペットボトルの飲料が残っているはずだ。
それを取るために立ち上がったとき少しよろけて、あみだくじの紙がヒラリと床に落下した。
それを視界の端で見た昂輝が理沙に視線をむけた。
理沙は昂輝の視線に射すくめられたように動きを止める。
全身から汗が吹き出して鼓動が早くなる。
昂輝が立ち上がり、床に落ちた紙を拾い上げた。
そして……「これ、次は使わないから」と、呟いた。
カサカサとした感触がやけに手につくと思ったら、自分の手が随分と乾燥していることに気がついた。
そういえば水分補給もろくにしていなかったことを思い出した。
次々といなくなるクラスメートたちを間近で見てきて、通常の喉の乾きを忘れて閉まっていたのだ。
箱の中にはまだペットボトルの飲料が残っているはずだ。
それを取るために立ち上がったとき少しよろけて、あみだくじの紙がヒラリと床に落下した。
それを視界の端で見た昂輝が理沙に視線をむけた。
理沙は昂輝の視線に射すくめられたように動きを止める。
全身から汗が吹き出して鼓動が早くなる。
昂輝が立ち上がり、床に落ちた紙を拾い上げた。
そして……「これ、次は使わないから」と、呟いた。