生贄教室
「え……?」
理沙の喉から乾いた声が漏れた。

次はあみだくじをしないということだと、少したってから理解する。
それはどういう意味なんだろう。
次の生贄はすでに決まっていて、それはつまり、やっぱり自分……?

理沙の顔からサッと血の気が引いた時「次は俺が行く」と、昂輝が宣言したのだ。
その言葉を聞いて美麗がハッと目を開けた。
眠ってはいなかったようだ。

「昂輝……」
「だから、少し美麗とふたりきりになりたいんだ」
昂輝はそう言うと、微かな笑みを浮かべたのだった。
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