生贄教室
☆☆☆

俺が中学校の教師になろうと決めたのは、中学3年生のころだった。
そのときの俺は思っていたように成績が上がらないことで、ランクを下げた高校を受験しようかどうしようか悩んでいた。

正直将来の夢もやってみたい職業もなかった俺は、別にランクを落としても問題はないと思っていた。
そんなときに話を聞いてくれたのが、当時の担任の飯原という男性教員だった。
「須江はもう少し頑張れば志望校に行くことができるんだ。頑張ってみればいいんじゃないか?」

「はぁ……」
最初はそんなありきたりな言葉を気にも止めていなかった。

志望校と言っても自分の実力にあった高校をピックアップして伝えていただけなので、別にどうしてもその高校に進学したいわけじゃなかった。
「まぁ、須江がどうしたいかが一番だけどな」

反応の鈍さに担任の飯原は呆れ顔だった気がする。
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