生贄教室

☆☆☆

「なんだよ、なんでヘリが逃げていくんだよ！」
３年S組の教室内。
先生が教師を出ていったすぐ後に自衛隊のヘリが２機遠ざかっていくのが窓から見えていた。

利秋が焦った様子で窓にへばりつく。
ヘリへむけて叫んでもその声が届くことはない。

「見て！　化け物が……！」
郁が手をいっぱいにのバアして窓の外を指差した。
そこには屋上へむけて手を伸ばす化け物の姿があったのだ。

「なんだあれ、なにしてんだ！？」
利秋が思わず後ずさりをして窓から離れた。
化け物が手に先生を握りしめていて、そして大きく口を開いた。