生贄教室
「あ、暴れだしたんだ」
言葉につまりながらも清が言う。
「そんなの見りゃわかるだろ！」

利秋が怒鳴り返して、清は黙り込んでしまった。
問題は、どうして化け物が急に暴れだしたかだった。
化け物は地団駄を踏むようにその場で足踏みを繰り返し、その度に学校全体が大きく揺れた。

「このままじゃ食べられる前に学校が崩れて死んじゃう！」
理沙が叫ぶ。
「そういえば須江先生を食べる前にもこんな風に暴れてたな」

ふと思い出したように池田が呟く。
それは単なる呟きだったけれど、生徒たちの間に嫌な予感が漂わせるには十分な一言だった。

「もしかして、まだ誰かを食べるつもりなんじゃ？」
「嘘だろ。あの化け物俺たちを１人ずつ食っていく気かよ！」
あちこちからそんな声が聞こえてくる。

食事をしていたときの穏やかなな雰囲気は今はもうどこにもない。
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