生贄教室
いつもクラスメートに対して自分勝手に振る舞ってきた利秋のことは、正直好きではなかった。
今まではそれでも我慢していた。

でも、もう我慢する必要はない。
私達は1時間後に化け物に食べられて死んでしまうかもしれないんだから。

「次は夜8時に誰かが食われることになる。誰が食われるか予め決めておけば無駄な恐怖を味わわなくてすむ」
利秋の提案に美麗は目を見開いた。
最初から誰が食べられるか決めておく。

それはつまり、生贄を決めるということだ。
「そんなの決まるわけないでしょ」
鼻で笑ったのは恵子だ。
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