生贄教室

利秋が清に近づいていく。
それだけで清は震えて相手の目を見ることもできなくなってしまう。

利秋の息がかかるほど近くに顔があっても、ギュッと目を閉じて我慢する。
「今までどれだけお前の尻拭いをしてきたと思ってんだよ」

囁かれた声にギョッと目を開ける。
こんなに至近距離で利秋の顔をみたのは初めてのことだった。
利秋の目は血走り、まるで肉食獣のようだ。

「みんな聞いてくれ！　こいつ実はなぁ！」
「や、やめて！」
清は利秋にすがりついて懇願する。

その目には涙が滲んでいた。
「なんだよ、バラされたくねぇのかよ」
清は泣きながら何度も頷く。