生贄教室
それだけは嫌だった。
クラスのみんなに知られることだけは。
「だったら次はお前が食われろ」

「それは……」
言葉が続かない。
肯定すれば生贄になって、逆らえば秘密をバラされる。

死んでしまえば秘密なんてどうでもよくなるけれど、あの秘密をバラされればもう生きていけない。
きっと、みんなの見る目が変わってしまう。

このクラスにはいられなくなって、高校受験だってきっとうまく行かない。
そうなると終わりだ。

僕の人生が終わってしまう……!
黙り込む清を睨みつける利秋。
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