生贄教室
「勉強もスポーツも苦手だし、いつも利秋に迷惑かけてたじゃん。だから、利秋から怒られても仕方なかったと思う」
「それは……っ」

反論仕掛けて喉の奥に言葉が詰まる。
利秋に迷惑をかけていたわけじゃない。
利秋のミスを僕がかぶっていたんだ。

そう言いたかったけれど、言えばヒミツをバラされてしまう。
「清はさ、日常に戻っても結局また同じように生きていくと思うよ? 受験だって、きっと失敗する」

言いながら妙子も必死だった。
化け物が1時間に1人人間を食べるとわかったときから、どうすれば自分が生き残るのかを考えていた。
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