生贄教室
☆☆☆

それから清とイジメっ子は職員室に呼ばれて散々説教された。
だけどその間清は自分の右手をジッと見つめていたのだ。
弱くても武器を持てば勝つことができる。

本の中の主人公たちと同じだと。
最初は弱い主人公たちも、次々と敵と戦って、新しい武器も手に入れて強くなっていく。それなら自分もそうすればいいんじゃないか。

自分こそ、小説の主人公になればこれからどんどん強くなれるんじゃないか。
それを試すためにやったことは……妹を奴隷にすることだった。
小学校低学年の妹にカッターナイフを見せれば、ただそれだけで言うことを聞いた。

家の中の手伝いはすべて妹にやらせて、お小遣いはすべて自分に渡すように仕向けた。
当たり前だ。
妹は弱いから、強い自分には逆らえない。

「お父さんとお母さんには言うなよ」
最後にはちゃんとそう言って脅しておいた。
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