生贄教室
「それで、清をイジメることで花子ちゃんは解放されたのか?」
仁の質問に利秋は黙り込んだ。
そんなにうまく行くはずがない。

そんなのは誰でもわかることだった。
「そもそも、どうしてそんなに花子ちゃんに入れ込むんだよ?」
「それは……可愛そうだったから」

突如口ごもり、視線をそらせる利秋。
それを仁は見逃さなかった。
「もしかして好きなのか? 小学生の子が!?」

早口で言うと利秋の顔がカッと赤くなる。
図星だったみたいだ。
「嘘でしょ……」

呟いたのは郁だった。
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