生贄教室
相手はまだ小学生だとわかっていたから、直接寄り添うようなことはやめておいた。
それこそ、怖がられてしまうかもしれないから。
幸いにも花子ちゃんの兄である清は同じ高校の生徒で、同じSクラスにいた。

だから、間接的に花子ちゃんを守れると思って、嬉しかったんだ。
「俺にはまだ、やることが……」
花子ちゃんのことを思い出すと自然と言葉が口から出てきた。

そうだ。
俺にはまだやることがある。
花子ちゃんのことを守るんだ。

そう考えると力がみなぎってくるのがわかった。
好きな人を守るんだ。
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