年上の彼女
「戸田はもうバスケ
やんないの?」

クラスの女子が
俺の机を囲んで質問をしてくる

「しねえよ
面倒くせえし、バスケ部の顧問が
嫌い」

終礼の時間は近づいている
そろそろ悦子が来る時間だ

「あのシュート姿は
格好良かったよ~」

女子たちが
俺をほめている

前を見ると
悦子が教室に入ってきた

暗い表情をしながら
教壇に立つ

生徒たちが一斉に席についた

廊下から
教頭とベテラン教師何名かが
教室をのぞいていた

「終礼を始めます」

悦子が緊張していた
たぶん
廊下から見ているからだろう

何のために
見ているか知らないが

いい気分はしない

冷たい視線で教室を威圧する

俺は席を立つと
廊下に出て行った

「なんですか?」

廊下にいる教師に質問をする
< 22 / 31 >

この作品をシェア

pagetop