悪女の汚名返上いたします!~悪役聖女として追放されたのに、私を嫌っていたはずの騎士がなぜか甘々に…⁉~
 まずベアトリスが向かったのは神殿内の蔵書室だった。
 聖魔法について調べたいことがあったからだ。

(鉱山に追放された後はかなり力が落ちたのに、最近になって急に復活した……いえ、それどころか以前より強まっているのは、なぜかしら?)

 文献を片っ端から読んでいると、ふと気になる研究資料を見つけた。

【聖女の力は心と密接に繋がっており、心身の成長により強化される。逆もまたしかりである。憎悪、復讐心、怒り、これらの感情は闇の力を強め、神聖力の減退を招く】

 この内容を自身に当てはめてみると、追放され復讐心に駆られたことで神聖力が衰えたが、改心したことで蘇ったということだろう。

(力が強まり続けているということは、今の私はきっと聖女として正しい道を歩めているのよね?)

 思案しながらページを(めく)っていると、ふいに人の気配がしてベアトリスは顔を上げた。
 
 聖女見習いが数人こちらの様子を窺っており、目が合った瞬間、慌ててうつむく。

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