悪女の汚名返上いたします!~悪役聖女として追放されたのに、私を嫌っていたはずの騎士がなぜか甘々に…⁉~
「……セレーナ様? どうしたのですか?」
「いいえ、なんでもありません……さあ、授業を続けましょう」
『セレーナ様』と呼ばれるたび胸が痛むが、ベアトリスは苦い気持ちに蓋をして、笑顔でいつも通り講義を続けた。
「セレーナ様、ひとつ質問があるのですが、よろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞ」
「呪具とは、どのように作られる物なのでしょう? 以前、聖女ベアトリス様が呪具を使用していたと聞いて、気になってしまって」
不意打ちで突きつけられた自身の過去に、ベアトリスは一瞬動揺した。
しかしすぐさま平然を装い、セレーナらしく朗らかに答える。
「呪具の作り方は、実は聖魔道具と同じです。物に神聖力を込めれば聖具に、逆に悪意や怨念、殺意を注げば呪具になります。みなさん、呪具の作成と所持、使用は重罪です。くれぐれも安易に手を出さないように」
きっとこれが、自分の最後の教えになるだろう。
「いいえ、なんでもありません……さあ、授業を続けましょう」
『セレーナ様』と呼ばれるたび胸が痛むが、ベアトリスは苦い気持ちに蓋をして、笑顔でいつも通り講義を続けた。
「セレーナ様、ひとつ質問があるのですが、よろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞ」
「呪具とは、どのように作られる物なのでしょう? 以前、聖女ベアトリス様が呪具を使用していたと聞いて、気になってしまって」
不意打ちで突きつけられた自身の過去に、ベアトリスは一瞬動揺した。
しかしすぐさま平然を装い、セレーナらしく朗らかに答える。
「呪具の作り方は、実は聖魔道具と同じです。物に神聖力を込めれば聖具に、逆に悪意や怨念、殺意を注げば呪具になります。みなさん、呪具の作成と所持、使用は重罪です。くれぐれも安易に手を出さないように」
きっとこれが、自分の最後の教えになるだろう。