悪女の汚名返上いたします!~悪役聖女として追放されたのに、私を嫌っていたはずの騎士がなぜか甘々に…⁉~
婚約者時代ならいざしらず、今やフェルナンとは赤の他人。
派閥争いやアランの人となりについて、ベアトリスがあえて首を突っ込む必要はない。
とはいえ、この言い方から察するに、フェルナンはアランに劣等感を抱いている様子。
(あ~あ、面倒くさいけど仕方ない。なにか有力な情報を引き出せるかもしれないし、一応聞いてあげますか)
バスケットからクッキーを取り出してポリポリ食べながら、ベアトリスは澄まし顔で言った。
「愚痴、聞いてあげてもよろしくってよ」
「相変わらず高飛車なヤツめ。だが……意外に優しいところもあったのだな」
フェルナンは苦笑しながら、ぽつりぽつりと語り始めた。
「異母弟のアランは昔から、勉学も武術も俺より秀でていた。聡明で性格も良く、穏やかで……『アラン殿下が正当な血筋の後継者だったら』と家臣が影で話しているのを、何度聞いたことか」
今までは会えば同族嫌悪で喧嘩ばかりしていたため、思い返せばフェルナンの本音を聞くのはこれが初めてだ。
派閥争いやアランの人となりについて、ベアトリスがあえて首を突っ込む必要はない。
とはいえ、この言い方から察するに、フェルナンはアランに劣等感を抱いている様子。
(あ~あ、面倒くさいけど仕方ない。なにか有力な情報を引き出せるかもしれないし、一応聞いてあげますか)
バスケットからクッキーを取り出してポリポリ食べながら、ベアトリスは澄まし顔で言った。
「愚痴、聞いてあげてもよろしくってよ」
「相変わらず高飛車なヤツめ。だが……意外に優しいところもあったのだな」
フェルナンは苦笑しながら、ぽつりぽつりと語り始めた。
「異母弟のアランは昔から、勉学も武術も俺より秀でていた。聡明で性格も良く、穏やかで……『アラン殿下が正当な血筋の後継者だったら』と家臣が影で話しているのを、何度聞いたことか」
今までは会えば同族嫌悪で喧嘩ばかりしていたため、思い返せばフェルナンの本音を聞くのはこれが初めてだ。