悪女の汚名返上いたします!~悪役聖女として追放されたのに、私を嫌っていたはずの騎士がなぜか甘々に…⁉~
『殿下、実はわたし……以前は、もっと強い力があったんです……』

『あった? ということは、今は違うのか?』

『はい……不思議なことに……ベアトリスが上級聖女になってから、力がなくなってしまって……』

 フェルナンは専門家ではないので分かりかねるが、病気や加齢で能力が衰えるならまだしも、急に失うのは不自然すぎる。

『……もしや、呪具……』

『えっ……!? ベアトリスが、呪具を使って……わたしの力を……?』

『いや、ただの憶測だ。すまない、今の話は──』
 
 『忘れてくれ』と言いかけた時、セレーナが珍しくフェルナンの言葉を(さえぎ)った。

『実は! ベアトリスがとても大切にしているネックレスがありまして……それを見ると、わたし、とても気分が悪くなるのです。もしかして、あれが……』

『本当か!? すぐに専門家に見せてみよう。持ち出せるか?』

『や、やってみます!』

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