悪女の汚名返上いたします!~悪役聖女として追放されたのに、私を嫌っていたはずの騎士がなぜか甘々に…⁉~
 こうしてネックレスを押収し鑑定したところ、予想通りそれは呪具だと判明した。

 フェルナンはその旨を国王と王妃に説明し、ベアトリス親子をすぐさま処断しようとしたが──異を唱える者がいた。
 
 近衛副団長のユーリスだ。

『殿下、裁判もせず断罪するのは、いささか早急ではございませんか』

『早急なものか! ベアトリスの母親が生前、呪具を扱う闇市でネックレスを購入したという証言がある。ハッ! 家族ぐるみの犯行とは恐ろしい奴らだ、裁判の機会など与える必要はない!』

【…………滅茶苦茶だな、この馬鹿王子】

『ん? なにか言ったか? 今のは……共和国語か?』
 
 異国の言語で何事かを囁いたユーリスは、フェルナンの求めに応じて今度はハキハキと述べた。

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