悪女の汚名返上いたします!~悪役聖女として追放されたのに、私を嫌っていたはずの騎士がなぜか甘々に…⁉~
(クッ! 共和国人がいると知っていれば通訳を連れてきたものを……ヘインズめ、図ったな!)
このまま口を開かずにいたら、ヘインズ公爵はきっと嫌みったらしい口調でこう言うだろう。
『弟君のアラン様は共和国語がご堪能でいらっしゃるので、てっきり殿下もそうだと……これは失礼いたしました。まさか話せないとは……今後の共和国との外交が心配ですなぁ』
ちらりと公爵を見れば、案の情ニンマリと笑っていた。
その間もずっと、共和国貴族は一方的にしゃべり続けている。
(これだから陽気な外国人は嫌いなんだ!)
適当な相槌を打ってごまかしているが、そろそろ限界がきたようだ。共和国貴族は笑みをひっこめ、眉をひそめて怪訝な顔つきになる。
フェルナンの背中にツーっと冷や汗が流れた時、隣から突然、鈴の音のような声が聞こえてきた。
見れば、なんとベアトリスが流暢に共和国語を話しているではないか──!
共和国貴族は訝しげな表情から一転、満面の笑顔になって再び陽気にしゃべり出した。
このまま口を開かずにいたら、ヘインズ公爵はきっと嫌みったらしい口調でこう言うだろう。
『弟君のアラン様は共和国語がご堪能でいらっしゃるので、てっきり殿下もそうだと……これは失礼いたしました。まさか話せないとは……今後の共和国との外交が心配ですなぁ』
ちらりと公爵を見れば、案の情ニンマリと笑っていた。
その間もずっと、共和国貴族は一方的にしゃべり続けている。
(これだから陽気な外国人は嫌いなんだ!)
適当な相槌を打ってごまかしているが、そろそろ限界がきたようだ。共和国貴族は笑みをひっこめ、眉をひそめて怪訝な顔つきになる。
フェルナンの背中にツーっと冷や汗が流れた時、隣から突然、鈴の音のような声が聞こえてきた。
見れば、なんとベアトリスが流暢に共和国語を話しているではないか──!
共和国貴族は訝しげな表情から一転、満面の笑顔になって再び陽気にしゃべり出した。