悪女の汚名返上いたします!~悪役聖女として追放されたのに、私を嫌っていたはずの騎士がなぜか甘々に…⁉~
「俺が不在の間、殿下がやってきたらどうします?」

「それは、自分でなんとかするから大丈夫よ、ほら早く仕事に戻って」

 口ではそう言ったものの、誰も信用できないこの状況で彼と離れるのは正直不安……。
 
(だけど、これ以上お仕事の邪魔をして迷惑をかけられない)

 もう一度「大丈夫だから」と言うベアトリスの横で、ポールが手を上げて一歩前に出た。

「それでしたら、ユーリス副団長が不在の間、僕がベアトリス様をしっかりとお守りします! お任せください!」

「ほら、ポールもこう言ってくれているし、なにも心配いらないわ」

「……分かった、すぐに戻る。ポール、頼んだぞ」

「はい! お任せください!」

 
 後ろ髪を引かれるようにユーリスが出て行った後、突然部屋にセレーナがやってきた。

 ここに居るはずのない異母姉の登場に、ベアトリスはひどく驚き尋ねた。

「セレーナ、貴女、いつきたの? というか、そもそも何故ここに?」

「殿下がね『身代わりはもう終わり』だって……ふふっ、ご苦労さま」

「え? 終わり? この視察が終わるまでの予定だったけど……本当にフェルナン殿下がそう言ったの?」

「うふっ、うふふふ……」

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