悪女の汚名返上いたします!~悪役聖女として追放されたのに、私を嫌っていたはずの騎士がなぜか甘々に…⁉~
「ユーリス副団長は頭が切れるので、簡単に見つかる場所には行かないかと。彼の兄、ブレア伯爵に揺さぶりをかけてみるのはいかがでしょうか?」
「良い案ね。もしベアトリスを匿っているのなら、ブレア伯爵家には『お仕置き』をしなきゃ」
セレーナは口角を持ち上げ、ゆるりと笑みを浮かべた。
それを見たポールが「あぁ。悪い顔をする貴女も素敵です」と、心酔しきった様子で呟く。
その時、扉がコンコンとノックされ、部屋にフェルナンが入ってきた。
途端、セレーナはいつものか弱い乙女の仮面をかぶり、上目遣いで彼に告げる。
「フェルナン殿下、ベアトリスについて、ご相談したいことがあるんです……」
「ああ、なんだ?」
「ポールから聞いたのですが……騎士ユーリスの姿が見えず……もしかしたら、ベアトリスと一緒にいるのかも……」
「なんだって!? 至急、ブレア伯爵家に問い合わせよう」
「殿下、お待ちを……わたしに良い考えが……」
セレーナは顔を近づけ、フェルナンにしなだれかかりながら、そっと耳打ちする。
仲睦まじく身を寄せ合うふたりの背中を、ポールが唇を噛みしめながら睨んでいることに、この時のセレーナは気付かなかった。
「良い案ね。もしベアトリスを匿っているのなら、ブレア伯爵家には『お仕置き』をしなきゃ」
セレーナは口角を持ち上げ、ゆるりと笑みを浮かべた。
それを見たポールが「あぁ。悪い顔をする貴女も素敵です」と、心酔しきった様子で呟く。
その時、扉がコンコンとノックされ、部屋にフェルナンが入ってきた。
途端、セレーナはいつものか弱い乙女の仮面をかぶり、上目遣いで彼に告げる。
「フェルナン殿下、ベアトリスについて、ご相談したいことがあるんです……」
「ああ、なんだ?」
「ポールから聞いたのですが……騎士ユーリスの姿が見えず……もしかしたら、ベアトリスと一緒にいるのかも……」
「なんだって!? 至急、ブレア伯爵家に問い合わせよう」
「殿下、お待ちを……わたしに良い考えが……」
セレーナは顔を近づけ、フェルナンにしなだれかかりながら、そっと耳打ちする。
仲睦まじく身を寄せ合うふたりの背中を、ポールが唇を噛みしめながら睨んでいることに、この時のセレーナは気付かなかった。