エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 それどころかなぜかベッドにいる。

 ……服は身に着けていなかった。

「北斗……?」

 隣に眠っているはずの北斗はおらず、シーツに触れてもぬくもりがない。

 改めて時計を確認してから、今日は平日だったと気づいた。

 シフト制の私は昨日に引き続き休みをもらっているけれど、北斗は普通に出社したのだろう。

「……起こしてくれてもよかったのに」

 昨夜の熱が呼び起こされ、素肌をこするシーツの感触にまでぞくりと震える。

 甘く、幸せな地獄だった。

 まだ身体の中に北斗の温かさが残っている気がしてつらくなる。

「罰、なんだよね」

 北斗がいたはずのシーツをきゅっと掴み、目を閉じる。
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