エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
真面目な嘘つきたち

 果たして北斗との生活は改善したのかしていないのか。

 私からするとなにも変わったように見えない日々が再び始まり、また自分の気持ちを持て余すことになった。

 結局、あの時タイミングを見失ったのもあって、まだ謝罪はできていない。

 いつか言わなければと思っているうちに、夏の真っ盛りを過ぎて秋を迎えてしまった。

 厳しい残暑は暑さが苦手な北斗を散々苦しめたけれど、それもだんだん落ち着き始めている。

 十月の半ばに差し掛かった頃、いつもより遅く帰宅した北斗は珍しくアルコールの匂いがした。

「ハロウィンパーティーに招待された」

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