エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 ようやく謝れたことにほっと息を吐く。

長年つかえていた重苦しいものが消えていくのを、自分でもはっきり感じた。

「許さない」

 言葉の内容の激しさと違い、北斗の口調は甘く優しかった。

「さっき復讐は終わりだと言ったがやめておく。償い終えるまで、一生俺の妻でいろ」

「うん」

 キスをされる気配を感じ、彼との間に手を入れて阻止する。

「純美」

「私にさせて。……今日の分キスはまだだったから」

 そう言って顔を寄せ、キスをしようとするも、唇が触れる直前ふっと笑われた。

「二回以上してもいい」

 つられて頬が緩む。

 今度こそ北斗に口づけを贈り、彼をぎゅっと抱き締める。

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