エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 娘ならきっと私にするように優しく愛してくれるだろうけれど、問題は息子だった場合だ。

 もし、北斗のように恥ずかしげもなく甘い言葉を囁く子に育ったら……。

 たまたま北斗が私に対して一途だっただけで、手当たり次第女の子を口説く子になったら大問題である。

 そこだけは彼の真似をしないよう気をつけなければ……と私が密かに考えていることを、北斗本人は知らない。

「……あ」

 その時、メッセージの受信音が響いた。

 スマホを取りに行こうとすると、北斗がそっと手で止める。

「男からのメッセージだったら、そのまま水に漬けてくる」

「絶対だめだからね」

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