エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 顔どころか耳まで熱くて、北斗の顔を直視できない。

「なにを言うかと思えば……」

 呆れたように言うと、北斗が私の髪に手を滑らせた。

 後頭部を優しく固定され、また口づけを落とされる。

「夫婦がどういうものかから学んでもらう必要がありそうだな。勉強熱心な生徒だとありがたいんだが」

 言いかけて、北斗はわざとらしく『ああ』と笑う。

「物覚えはいいな。俺とのキスをちゃんと覚えていたようだから」

「なっ……」

「忘れていなかっただろう?」

 エレベーターの中でされたように、指で唇をなぞられる。

「次はどんな初体験を俺に奪わせてくれるんだ?」

「変な言い方をしないで……」

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