エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 ホテルで再会を果たした後、俺はしばらく高揚感を抑えられなかった。

 話をするだけのつもりが、彼女に出会えた喜びが強すぎてキスを迫ってしまうほどに。

 もしかしたらあの瞬間、自分が夢を見ているわけじゃないと、彼女のぬくもりで確認したかったのかもしれない。

 夢中になって口づけてからしまったと思うも、その後の彼女の反応でまだ俺たちには未来があるのではないかと希望を抱いた。

 純美は俺を嫌っているわけではない。

 そうでなければ、あんなに頬を赤らめ、動揺しながらも瞳を潤ませて俺を見つめるはずがないだろう。

 確かに混乱していたようだが、嫌悪や拒絶の意思は欠片も感じられなかった。

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