エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 特例だったものの、どうやら日頃の努力とスキルを評価されたようで、ぜひにと推してくれる上司の言葉を無碍にできなかった。

 かなり悩んだものの、俺は結局仕事を選んだ。

 純美の様子がどこかおかしかったとわかっていても、それが別れを受け入れられない俺の妄想かもしれないと知るのが怖かった。

 話す時間が必要だったのに、俺は別れの言葉を消化する時間を選んでしまったのだった。

「どういう結婚式にするかは純美と話して決める。海外でふたりきりの挙式をするのも悪くなさそうだし」

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