『絶食男子、解禁』
*
「ただいま~」
「おかえり!!」
「えっ、……何でいんの?」
仕事を終え帰宅した俺は、玄関ドアを開けると同時に『ただいま』コールをしたら、リビングから駆けて来たのは鮎川ではなく、幼馴染の優里奈だった。
足下に視線を落とすと、女性物の靴は一足。
ということは、鮎川はいないことを示している。
「どうやって入ったの?鮎川が中に入れてくれたとか?」
「鮎川さんって言うんだ。あの家政婦さん」
「は?」
今、家政婦って言ったか?
「ご飯出来上がってるし、シャワーしてくれば?一緒に食べよ」
「……意味わかんね。帰って」
「えっ……?」
「鮎川は家政婦じゃないから」
「えぇっ、そうなの?私はてっきり……。じゃあ、彼女は何なの?」
「はぁ?ってか、家政婦じゃなくてご飯作ってくれる人って言ったら、『彼女』以外にあんのかよっ」
「えー嘘っ!峻、彼女いたの?いつ?いつから付き合ってるの?」
「そんなこと、お前に関係ねーだろ。っつーか、どうやって入ったんだよ」
「……豪くんに合鍵借りた」
「はぁあっ?!それ、住居侵入罪だから」
「っ……」
すぐさま鮎川に電話を入れる。
「もしもし?鮎川ごめんっ」
『お仕事お疲れ様。今帰宅したの?』
「あー、うん」
『メール入れといたんだけど、義姉さんで合ってた?』
「ごめん、まだメール見てない。ってか、義姉じゃねーから」
『そうなの?……じゃあ…』
「幼馴染の子で、……兄貴が合鍵渡したみたい。ごめんな」
『え、いいよ~。そっか、義姉さんじゃなかったんだね。ご飯二人分作っておいたから、よかったら彼女と食べてね』
「えっ……」
鮎川は優里奈のことを何とも感じてないのか。
せっかく作ってくれた食事ですら、一緒に食べればいいと言う。
そんな彼女の言葉に、ほんの少し胸の奥が軋んだ。
「ただいま~」
「おかえり!!」
「えっ、……何でいんの?」
仕事を終え帰宅した俺は、玄関ドアを開けると同時に『ただいま』コールをしたら、リビングから駆けて来たのは鮎川ではなく、幼馴染の優里奈だった。
足下に視線を落とすと、女性物の靴は一足。
ということは、鮎川はいないことを示している。
「どうやって入ったの?鮎川が中に入れてくれたとか?」
「鮎川さんって言うんだ。あの家政婦さん」
「は?」
今、家政婦って言ったか?
「ご飯出来上がってるし、シャワーしてくれば?一緒に食べよ」
「……意味わかんね。帰って」
「えっ……?」
「鮎川は家政婦じゃないから」
「えぇっ、そうなの?私はてっきり……。じゃあ、彼女は何なの?」
「はぁ?ってか、家政婦じゃなくてご飯作ってくれる人って言ったら、『彼女』以外にあんのかよっ」
「えー嘘っ!峻、彼女いたの?いつ?いつから付き合ってるの?」
「そんなこと、お前に関係ねーだろ。っつーか、どうやって入ったんだよ」
「……豪くんに合鍵借りた」
「はぁあっ?!それ、住居侵入罪だから」
「っ……」
すぐさま鮎川に電話を入れる。
「もしもし?鮎川ごめんっ」
『お仕事お疲れ様。今帰宅したの?』
「あー、うん」
『メール入れといたんだけど、義姉さんで合ってた?』
「ごめん、まだメール見てない。ってか、義姉じゃねーから」
『そうなの?……じゃあ…』
「幼馴染の子で、……兄貴が合鍵渡したみたい。ごめんな」
『え、いいよ~。そっか、義姉さんじゃなかったんだね。ご飯二人分作っておいたから、よかったら彼女と食べてね』
「えっ……」
鮎川は優里奈のことを何とも感じてないのか。
せっかく作ってくれた食事ですら、一緒に食べればいいと言う。
そんな彼女の言葉に、ほんの少し胸の奥が軋んだ。