『絶食男子、解禁』
*
「じゃあ、開けるよ?」
「うぉっ、すっっげぇ~いい匂い!」
「適当によそっていいよね」
「ここら辺のをがっつり入れて」
「はいはい」
鮎川が用意してくれたのは、魚介類好きな俺のためにパエリアだった。
しかも、ホットプレートで豪快に作ってくれたことが凄く新鮮で。
この前貰った重箱懐石みたいなものだったらどうしようとか思ったけど、意外にも庶民的かつお洒落に仕上げてくれた。
その他にもカルパッチョやスープ、スペアリブにサラダとダイニングテーブルの上には乗り切らないほど。
「これを一時間ちょっとで作れるもんなの?」
「圧力鍋使えば時短で作れるよ」
「へぇ~」
料理のことはいまいち分からない。
けれど、俺の家と違って、鮎川の家には変わった調理器具がたくさんあるのは知っている。
ホットプレートひとつとっても、ちょっと変わった感じだし。
きっと拘って買ったのだろう。
「いただきます。……旨っ、すっげぇ濃厚」
「……いただきます。……うん、結構魚介類の旨味が出てるね」
サフランの香りと魚介から濃縮された旨みが溢れて出してる。
カルパッチョとスープはあっさりめで、スペアリブがガツンとしてる分、絶妙なバランス。
「チーズケーキ焼いてあるから、少し入るスペース残しておいてね」
「あ…」
そうだ。
ケーキも焼いてたんだよな。
室内に仄かに甘い香りが漂ってたけど、換気扇がガンガンに回ってて忘れていた。
ケーキってそんなに簡単に作れるものなのか?
鮎川が料理上手だとは分かっていても、あれもこれも同時に仕上げるとか、もはやプロだろ。
「ビール飲むよね?持って来るね」
「…サンキュ」
いつだったか、篠田が言ってたな。
“熟年夫婦みたい”だって。
こんな幸せな時間が、ずっと続いたらいいな。
「じゃあ、開けるよ?」
「うぉっ、すっっげぇ~いい匂い!」
「適当によそっていいよね」
「ここら辺のをがっつり入れて」
「はいはい」
鮎川が用意してくれたのは、魚介類好きな俺のためにパエリアだった。
しかも、ホットプレートで豪快に作ってくれたことが凄く新鮮で。
この前貰った重箱懐石みたいなものだったらどうしようとか思ったけど、意外にも庶民的かつお洒落に仕上げてくれた。
その他にもカルパッチョやスープ、スペアリブにサラダとダイニングテーブルの上には乗り切らないほど。
「これを一時間ちょっとで作れるもんなの?」
「圧力鍋使えば時短で作れるよ」
「へぇ~」
料理のことはいまいち分からない。
けれど、俺の家と違って、鮎川の家には変わった調理器具がたくさんあるのは知っている。
ホットプレートひとつとっても、ちょっと変わった感じだし。
きっと拘って買ったのだろう。
「いただきます。……旨っ、すっげぇ濃厚」
「……いただきます。……うん、結構魚介類の旨味が出てるね」
サフランの香りと魚介から濃縮された旨みが溢れて出してる。
カルパッチョとスープはあっさりめで、スペアリブがガツンとしてる分、絶妙なバランス。
「チーズケーキ焼いてあるから、少し入るスペース残しておいてね」
「あ…」
そうだ。
ケーキも焼いてたんだよな。
室内に仄かに甘い香りが漂ってたけど、換気扇がガンガンに回ってて忘れていた。
ケーキってそんなに簡単に作れるものなのか?
鮎川が料理上手だとは分かっていても、あれもこれも同時に仕上げるとか、もはやプロだろ。
「ビール飲むよね?持って来るね」
「…サンキュ」
いつだったか、篠田が言ってたな。
“熟年夫婦みたい”だって。
こんな幸せな時間が、ずっと続いたらいいな。