『絶食男子、解禁』
*
「凄く美味しかったね。また連れて来てね」
「おぅ」
真中さんに教えて貰った和食処で、誕生日会をした。
さすがに自身の誕生日に料理させるわけにもいかず。
忍がいるから、ゆっくりできるお座敷は定番だ。
「ぐっすりだね」
「あんだけ燥げばな」
純也の家族(瞳と娘の梨央)もお祝いに来てくれて、久々に盛り上がった。
*
「つぐみ、ちょっといいか」
「……ん」
翌朝の食事の準備をする彼女をリビングに呼び、綺麗にラッピングされた物を差し出す。
「誕生日、おめでとう」
「ありがとう。開けてもいい?」
「ん」
伏目がちな微笑みから、嬉しさを感じてくれているのだと分かる。
優しく結ばれた口元から『素敵』という声が漏れ出した。
「指輪とかネックレス贈っても殆ど着けないから、実用的な方がいいかなと思って」
「これなら会社にも着けて行けるよ」
「そう言うと思った」
彼女が愛用しているブランドの腕時計をプレゼントした。
結婚しても出産しても、仕事は続けている彼女。
生活費を稼ぐためというよりも、経理の仕事が本当に大好きらしい。
「ねぇ、峻」
「ん?」
「お願いがあるんだけど、聞いてくれる?」
「お願い?……言ってみ?」
「あのね…」
リビングのソファで隣りに座る彼女が、そっと耳打ちして来た。
「っ……、え、いいの?」
「忍もだいぶ手が離れて来たし」
『そろそろ二人目作らない?』
つぐみの口から思ってもみない提案に、ズッキューンと胸を射貫かれた。
忍に手がかかるうちはと思い、避妊してたけど。
妻から正式なオファーが出たのなら……。
「んじゃあ、遠慮なく♪」
「っっ……お手柔らかに」
彼女の膝裏に手を滑り込ませ、腰をしっかりと支えて抱え上げる。
つぐみの誕生日なのに、俺の誕生日みたいだ。
~FIN~
「凄く美味しかったね。また連れて来てね」
「おぅ」
真中さんに教えて貰った和食処で、誕生日会をした。
さすがに自身の誕生日に料理させるわけにもいかず。
忍がいるから、ゆっくりできるお座敷は定番だ。
「ぐっすりだね」
「あんだけ燥げばな」
純也の家族(瞳と娘の梨央)もお祝いに来てくれて、久々に盛り上がった。
*
「つぐみ、ちょっといいか」
「……ん」
翌朝の食事の準備をする彼女をリビングに呼び、綺麗にラッピングされた物を差し出す。
「誕生日、おめでとう」
「ありがとう。開けてもいい?」
「ん」
伏目がちな微笑みから、嬉しさを感じてくれているのだと分かる。
優しく結ばれた口元から『素敵』という声が漏れ出した。
「指輪とかネックレス贈っても殆ど着けないから、実用的な方がいいかなと思って」
「これなら会社にも着けて行けるよ」
「そう言うと思った」
彼女が愛用しているブランドの腕時計をプレゼントした。
結婚しても出産しても、仕事は続けている彼女。
生活費を稼ぐためというよりも、経理の仕事が本当に大好きらしい。
「ねぇ、峻」
「ん?」
「お願いがあるんだけど、聞いてくれる?」
「お願い?……言ってみ?」
「あのね…」
リビングのソファで隣りに座る彼女が、そっと耳打ちして来た。
「っ……、え、いいの?」
「忍もだいぶ手が離れて来たし」
『そろそろ二人目作らない?』
つぐみの口から思ってもみない提案に、ズッキューンと胸を射貫かれた。
忍に手がかかるうちはと思い、避妊してたけど。
妻から正式なオファーが出たのなら……。
「んじゃあ、遠慮なく♪」
「っっ……お手柔らかに」
彼女の膝裏に手を滑り込ませ、腰をしっかりと支えて抱え上げる。
つぐみの誕生日なのに、俺の誕生日みたいだ。
~FIN~