『絶食男子、解禁』
*
『北海道のお土産、何がいい?』
社食でランチをしていたら、楢崎からメールが届いた。
「彼氏さんからですか?」
「……ん」
後輩の和田さんが、少し揶揄うみたいな視線を向けて来る。
「昨日から北海道に出張中で、お土産は何がいい?ってメールが」
「いいなぁ~。ラブラブですね」
「……そんなことないよ」
ラブラブとは違うような気がする。
元彼から衝撃的な事実を明らかにされた、あの晩。
楢崎の過去を知った。
そして、酔い潰れた彼を自宅に泊めたのだけれど。
翌朝のご飯が殊の外お気に召したようで。
それ以来、夕食を振る舞ったり、宅飲み&お泊り会をしている私たち。
私の自宅には、彼の着替えや電動シェーバーなどがある。
傍から見れば『恋人』関係なのかもしれない。
几帳面な彼の性格上、メールをすれば返信してくれるし、料理を振る舞えば残さず食べてくれる。
彼との時間は思ってた以上に心地良い。
*
「あゆちゃーん、いっしょにおふろはいろ~♪」
「いいよ~」
前島課長が研修で不在の夜(土曜日)、自宅で息子さんのたっくんを預かっている。
夕方まで保育園にいた彼を迎えに行き、自宅に連れ帰った。
日中に夕食やデザートを作っておいたから、お風呂から出たら食べさせ、就寝時間になったら寝かせるだけ。
これまでも何度も預かったことがあり、たっくんは私に懐いている。
「あゆちゃん、これなーに?」
「ん?……あぁ、それはお兄ちゃんの髭剃りだよ」
「おにいちゃん?」
『北海道のお土産、何がいい?』
社食でランチをしていたら、楢崎からメールが届いた。
「彼氏さんからですか?」
「……ん」
後輩の和田さんが、少し揶揄うみたいな視線を向けて来る。
「昨日から北海道に出張中で、お土産は何がいい?ってメールが」
「いいなぁ~。ラブラブですね」
「……そんなことないよ」
ラブラブとは違うような気がする。
元彼から衝撃的な事実を明らかにされた、あの晩。
楢崎の過去を知った。
そして、酔い潰れた彼を自宅に泊めたのだけれど。
翌朝のご飯が殊の外お気に召したようで。
それ以来、夕食を振る舞ったり、宅飲み&お泊り会をしている私たち。
私の自宅には、彼の着替えや電動シェーバーなどがある。
傍から見れば『恋人』関係なのかもしれない。
几帳面な彼の性格上、メールをすれば返信してくれるし、料理を振る舞えば残さず食べてくれる。
彼との時間は思ってた以上に心地良い。
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「あゆちゃーん、いっしょにおふろはいろ~♪」
「いいよ~」
前島課長が研修で不在の夜(土曜日)、自宅で息子さんのたっくんを預かっている。
夕方まで保育園にいた彼を迎えに行き、自宅に連れ帰った。
日中に夕食やデザートを作っておいたから、お風呂から出たら食べさせ、就寝時間になったら寝かせるだけ。
これまでも何度も預かったことがあり、たっくんは私に懐いている。
「あゆちゃん、これなーに?」
「ん?……あぁ、それはお兄ちゃんの髭剃りだよ」
「おにいちゃん?」