『絶食男子、解禁』
*
スポンサー契約している柔道選手が焼肉のたれのCMに起用され、たまたま午前中にCM撮影があったようで、大量のたれやドレッシングを貰った。
殆ど料理しない俺は、自宅に持ち帰ってもどうせ賞味期限が切れるだけだと思い、出先から直に鮎川の家へと向かった。
彼女の自宅には上司の息子さんがいて、玄関ドアを開けたと同時に物凄い眼つきで威嚇された。
『あゆちゃんはぼくのかのじょだから、おにいちゃんにはあげないよ?』
やべっ、こんなガキに牽制されんのかよ。
ド直球の先制攻撃を喰らった俺は、ただただ笑うしかできない。
「今、ご飯食べてたところだから、上がって」
「……ん、お邪魔します」
ぎろりと睨まれたまま、部屋の中へと。
「旨そっ」
「ご飯よそるから、手洗って来て」
「おぅ」
ダイニングへと戻ると、ちゃっかり彼女の隣りに座り直したガキ。
いっちょ前に『彼氏』気取りしてやがる。
「おにいちゃん、あゆちゃんとおふろはいったことある?」
「ブッ……っんだよ、いきなり」
口に含んだ冷茶を吐き出しそうになった。
「へぇ~、ないんだぁ」
「あ?」
「ぼくはなんどもいっしょにはいったことあるもんね~」
「あっそ」
「あゆちゃんのおむねとおしりは、すっごくやわらかいんだから♪」
「ちょっと、たっくんッ!!」
「……あーそーですか」
このクソガキっ、完全にマウント気取りじゃねーか。
ませたこと言いやがって。
っつーか、鮎川、子供だと思って油断しすぎだっつーの!
「何歳?」
「……くがつでろくさいだけど」
六歳って。
もう男じゃん。
早い奴なら初恋だってしてておかしくないし、『好き』という感情だって分かる頃だろ。
なんか、腹立つな。
スポンサー契約している柔道選手が焼肉のたれのCMに起用され、たまたま午前中にCM撮影があったようで、大量のたれやドレッシングを貰った。
殆ど料理しない俺は、自宅に持ち帰ってもどうせ賞味期限が切れるだけだと思い、出先から直に鮎川の家へと向かった。
彼女の自宅には上司の息子さんがいて、玄関ドアを開けたと同時に物凄い眼つきで威嚇された。
『あゆちゃんはぼくのかのじょだから、おにいちゃんにはあげないよ?』
やべっ、こんなガキに牽制されんのかよ。
ド直球の先制攻撃を喰らった俺は、ただただ笑うしかできない。
「今、ご飯食べてたところだから、上がって」
「……ん、お邪魔します」
ぎろりと睨まれたまま、部屋の中へと。
「旨そっ」
「ご飯よそるから、手洗って来て」
「おぅ」
ダイニングへと戻ると、ちゃっかり彼女の隣りに座り直したガキ。
いっちょ前に『彼氏』気取りしてやがる。
「おにいちゃん、あゆちゃんとおふろはいったことある?」
「ブッ……っんだよ、いきなり」
口に含んだ冷茶を吐き出しそうになった。
「へぇ~、ないんだぁ」
「あ?」
「ぼくはなんどもいっしょにはいったことあるもんね~」
「あっそ」
「あゆちゃんのおむねとおしりは、すっごくやわらかいんだから♪」
「ちょっと、たっくんッ!!」
「……あーそーですか」
このクソガキっ、完全にマウント気取りじゃねーか。
ませたこと言いやがって。
っつーか、鮎川、子供だと思って油断しすぎだっつーの!
「何歳?」
「……くがつでろくさいだけど」
六歳って。
もう男じゃん。
早い奴なら初恋だってしてておかしくないし、『好き』という感情だって分かる頃だろ。
なんか、腹立つな。