スーパー戦隊ヒーローズ1 剛球戦隊ケッセンジャー 見よ! 我らが青春の炎を!
それから一週間が過ぎた木曜日。 授業が終わって学生たちが出ていく昇降口。
その奥の掲示板にはいろんなポスターが貼られているが、、、。
「これは何だ?」 寛貴はその中の一枚に目を止めた。
『気を付けよう 五つの星のバッヂ君。
青 白 桃 黒 白のバッヂを付けた変なやつが歩き回っている。 気を付けろ。』
「俺たちのことか?」 寛貴は怪訝そうにそのポスターを剥がすとゴミ箱に投げ捨てた。
その足でグラウンドへ向かうと体育倉庫の扉を開けた。
「地区大会も近いんだ。 頑張らなきゃね、、、。」 その倉庫の中で人影が動いた。
「誰だ?」 「ようこそ。 ケッセンブルー。 待っていたぞ。」
「お前たちは、、、。」 「お前にウロウロされては計画が台無しになるんでな。 おとなしくしてもらうよ。」
二人の男が寛貴を羽交い絞めにする。 「こいつを貰うぜ。」
目の前で含み笑いをしていた男がケッセンバッヂに手を伸ばしてきた。 「やめろ!」
「だから言ってるだろう? お前に動き回られては困るんだよ。」 そして男はケッセンバッヂを奪い取った。
「ほほう、これが噂のケッセンバッヂか。 貰ったぜ。」
倉庫の不吉な空気を察した洋美が近付いてきた。 「逃げろ! 来るんじゃない!」
「うるせえ! あいつを追い掛けろ!」 男たちは寛貴を気絶させると洋美を追い掛けて出て行った。
その頃、都内では不思議な事件が続発していた。
走っていた車がいきなり宙に浮いて固まってしまった。 またベビーカーを押していた母親がベビーカーに飲み込まれてしまった。
電柱に閉じ込められた会社員も居る。 犬と合体してしまった女子高生も。
「なんだいなんだい? 猫の次は何が起きてるんだい?」 基地に飛び込んできた正弘はニュースパネルを開いて絶句した。
「訳分んない事件が多いのよ 最近。」 「そういえばブルーはどうした?」
「さあ、、、。 部活も終わる頃だからそろそろ来るんじゃないの?」
ニールはニュースを見ながら考え込んでいる。 「犬と人間を合体させるなんて、、、。」
「お、遅くなっちまったな。」 そこへ寛貴が入ってきた。
「そうなんだよ。 最近さ変な事件が多いの。」 「そうだよなあ。 それにさ、みんな知ってるか? 変なポスターが増えただろ?」
「ああ、あの五つの星に気を付けろってやつね?」 「誰なんだろうなあ?」
「ベーサーだよ。 やつらに決まってる。」 「何でベーサー?」
「俺たちが仇敵だからだよ。」 「仇敵、、、。」
考え込んでいる寛貴の目にキールは違和感を感じている。
「まあいいや。 とにかく調べてみようぜ。」 そう言って寛貴が立ち上がるとキールも立ち上がった。
やがて寛貴が基地を出ていくと、、、。 「やつの後を付けてみよう。」
キールは正弘と打ち合わせて基地を出て行った。
その間にも奇妙な事件は起き続けていた。 「あいつはどうもおかしい。」
「寛貴じゃないな。」 50メートルほど離れて物陰を移動している二人は男を追い掛けている。
十字路に来た時、男は高校のほうへ曲がっていった。 「あれあれ、学校に行ったよ。 何をする気だ?」
「俺は何もしないよ。」 「何もしないって?」
「そうさ。 ホワイト君。 君にはここでおとなしくしてもらうがね。」 男が右腕を振り上げる。
「何をする気だ?」 宙に浮いた正弘が叫ぶと、、、。
男は振り上げた右腕を回し始めた。 「ちきしょう! 目が回るじゃねえか! 下ろせ!」
「そこでじっとしてもらうよ。」 今度は腕を前へ突き出す。
すると正弘は校門の中へ消えてしまった。
「つまらない物を見せちまったね。 さよなら。 シルバー君。」 そう言うと男は銀色の闇の中へ消えてしまった。
「何? ホワイトまで消されちまったって?」 「そうなんだ。 何をするのかと見ていたんだが、不意打ちを食らっちまったようだ。」
ニールはベーサーブックを開いた。 「うーん、やつはベーサーマジックだな。」
「猫の次はマジシャンかい。 潰せないのか?」 「ブルーもホワイトも居ない。 これじゃあ何も出来ないよ。」
基地で三人が額を合わせている頃、寛貴はやっと目を覚まして基地へやってきた。
いつものようにテーブルを囲んで三人が話し合っている。 洋美の後ろに立ってみる。
「あれ? こいつら俺に気付かないのか?」 ニールの肩を叩いてみる。
それでも誰一人反応しない。 「おかしいな、、、。」
「そういえばさあ、あの人 基地の中を見回してたわよね?」 「そういえばそうだな。」
「何かやるつもりじゃない?」 その時、窓ガラスがキールのほうへ飛んできた。
「危ねえなあ、、、チェンジ シルバー!」 「やあ、シルバー君。 お見事だね。 このガラスを交わすとは。」
「ベーサーマジック。 何をするつもりだ?」 「決まってるじゃないか。 君たちに消えてもらうのさ。」
ベーサーマジックが瞬きをするとニールも洋美も変身してしまった。 「これからが面白いショーの始まりだぜ。」
指を鳴らすと椅子が飛び回り始める。 「さあ、ピンク君には椅子に座ってもらおうか。」
「やめなさい!」 「無駄だよ。 このバッヂには逆らえないはずだよね?」
ベーサーマジックは腕を振る。 抵抗できないままケッセンピンクは椅子に咥えこまれてしまった。
「さあさあ、次は君たちだよ。」 ブラックとシルバーをテーブルが追いかける。
「こんな所で遊んでるわけにはいかないんだ。 なんとかならないのか?」 しかし二人もテーブルに捕まってしまった。
「さあ、これでお前たちの処刑をするだけだな。」 ベーサーマジックはトランプカードを取り出した。
「こいつに念力を込めればお前たちはズタズタに切り裂かれるんだ。 待ち遠しいだろう? すぐやってやるよ。」 マジックがカードを繰っている。
その手が止まった時だった。 ズドーン!
閃光が走ってカードが飛び散った。 「だ、だ、だ、誰だ?」
「ぼくだよ。」 「ケッセンブルー、、、。 どうやって?」
「このペンダントがお前の弱点を教えてくれたのさ。」 「俺も帰ってきたぜ。」
「ケッセンホワイトまで、、、。 ちきしょう! ぶっ潰してやる!」 「ピンクバトン! これでもやる気なの?」
ケッセンピンクがバトンを振るとマジックは万歳をして固まってしまった。 「やってやるのは俺たちだぜ。 シルバーパンチ!」
ケッセンシルバーに顎を打ち砕かれたベーサーマジックは爆発した。
「ロボットだぜ!」 ホワイトが西の空を指差すとマジックロボガ放射能を吹きながら暴れていた。
「出でよ! 装着合体 ダイエース!」
「あの放射能をまともに浴びちまったらロボガ腐ってしまう。」 「まずはホワイトフェンサーだ!」
だがマジックロボは軽々と交わしてしまう。 「これならどうだ! ブラックライフルだ!」
それでもマジックロボはたじろぐ様子を見せない。 「ブルー、あの目に注意しろ。 目を見たらバラバラにされちまうぞ。」
「オッケー。 じゃあ目潰しをしようじゃないか。」 「ドライブタイフーンね。 了解。」
ダイエースが両腕を広げて飛び上がる。 「電磁ネットだ!」
両腕から電磁プラズマを放射して目を塞ぐ。 「行くぜ! ケッセンジャー必殺武器 電磁剣 唐竹割!」
一撃でマジックロボは爆発した。
「それにしてもさあ、ブルーは何処で何をしてたんだ?」 「何処でって?」
「俺たちが混乱してる間さ、、、。」 「分かんないよ。 気絶して目が覚めたらとんでもない空間の中に居たんだ。」
「とんでもない空間?」 「そう。 基地には入れたんだけど、みんなには分からなかったみたいだな。」
「もしかして俺もそうだったのか?」 「たぶんな。 辛うじて正弘とは連絡が取れてたんだ。 おかげで助かったよ。」
「そうか。 ブルーもホワイトもベーサーが作り出した四次元と五次元の間に居たんだ。」 キールはベーサーレーダーに目をやった。
洋美は体育倉庫で気を失っている寛貴の姿を見ていたのか、、、? それとも?
その奥の掲示板にはいろんなポスターが貼られているが、、、。
「これは何だ?」 寛貴はその中の一枚に目を止めた。
『気を付けよう 五つの星のバッヂ君。
青 白 桃 黒 白のバッヂを付けた変なやつが歩き回っている。 気を付けろ。』
「俺たちのことか?」 寛貴は怪訝そうにそのポスターを剥がすとゴミ箱に投げ捨てた。
その足でグラウンドへ向かうと体育倉庫の扉を開けた。
「地区大会も近いんだ。 頑張らなきゃね、、、。」 その倉庫の中で人影が動いた。
「誰だ?」 「ようこそ。 ケッセンブルー。 待っていたぞ。」
「お前たちは、、、。」 「お前にウロウロされては計画が台無しになるんでな。 おとなしくしてもらうよ。」
二人の男が寛貴を羽交い絞めにする。 「こいつを貰うぜ。」
目の前で含み笑いをしていた男がケッセンバッヂに手を伸ばしてきた。 「やめろ!」
「だから言ってるだろう? お前に動き回られては困るんだよ。」 そして男はケッセンバッヂを奪い取った。
「ほほう、これが噂のケッセンバッヂか。 貰ったぜ。」
倉庫の不吉な空気を察した洋美が近付いてきた。 「逃げろ! 来るんじゃない!」
「うるせえ! あいつを追い掛けろ!」 男たちは寛貴を気絶させると洋美を追い掛けて出て行った。
その頃、都内では不思議な事件が続発していた。
走っていた車がいきなり宙に浮いて固まってしまった。 またベビーカーを押していた母親がベビーカーに飲み込まれてしまった。
電柱に閉じ込められた会社員も居る。 犬と合体してしまった女子高生も。
「なんだいなんだい? 猫の次は何が起きてるんだい?」 基地に飛び込んできた正弘はニュースパネルを開いて絶句した。
「訳分んない事件が多いのよ 最近。」 「そういえばブルーはどうした?」
「さあ、、、。 部活も終わる頃だからそろそろ来るんじゃないの?」
ニールはニュースを見ながら考え込んでいる。 「犬と人間を合体させるなんて、、、。」
「お、遅くなっちまったな。」 そこへ寛貴が入ってきた。
「そうなんだよ。 最近さ変な事件が多いの。」 「そうだよなあ。 それにさ、みんな知ってるか? 変なポスターが増えただろ?」
「ああ、あの五つの星に気を付けろってやつね?」 「誰なんだろうなあ?」
「ベーサーだよ。 やつらに決まってる。」 「何でベーサー?」
「俺たちが仇敵だからだよ。」 「仇敵、、、。」
考え込んでいる寛貴の目にキールは違和感を感じている。
「まあいいや。 とにかく調べてみようぜ。」 そう言って寛貴が立ち上がるとキールも立ち上がった。
やがて寛貴が基地を出ていくと、、、。 「やつの後を付けてみよう。」
キールは正弘と打ち合わせて基地を出て行った。
その間にも奇妙な事件は起き続けていた。 「あいつはどうもおかしい。」
「寛貴じゃないな。」 50メートルほど離れて物陰を移動している二人は男を追い掛けている。
十字路に来た時、男は高校のほうへ曲がっていった。 「あれあれ、学校に行ったよ。 何をする気だ?」
「俺は何もしないよ。」 「何もしないって?」
「そうさ。 ホワイト君。 君にはここでおとなしくしてもらうがね。」 男が右腕を振り上げる。
「何をする気だ?」 宙に浮いた正弘が叫ぶと、、、。
男は振り上げた右腕を回し始めた。 「ちきしょう! 目が回るじゃねえか! 下ろせ!」
「そこでじっとしてもらうよ。」 今度は腕を前へ突き出す。
すると正弘は校門の中へ消えてしまった。
「つまらない物を見せちまったね。 さよなら。 シルバー君。」 そう言うと男は銀色の闇の中へ消えてしまった。
「何? ホワイトまで消されちまったって?」 「そうなんだ。 何をするのかと見ていたんだが、不意打ちを食らっちまったようだ。」
ニールはベーサーブックを開いた。 「うーん、やつはベーサーマジックだな。」
「猫の次はマジシャンかい。 潰せないのか?」 「ブルーもホワイトも居ない。 これじゃあ何も出来ないよ。」
基地で三人が額を合わせている頃、寛貴はやっと目を覚まして基地へやってきた。
いつものようにテーブルを囲んで三人が話し合っている。 洋美の後ろに立ってみる。
「あれ? こいつら俺に気付かないのか?」 ニールの肩を叩いてみる。
それでも誰一人反応しない。 「おかしいな、、、。」
「そういえばさあ、あの人 基地の中を見回してたわよね?」 「そういえばそうだな。」
「何かやるつもりじゃない?」 その時、窓ガラスがキールのほうへ飛んできた。
「危ねえなあ、、、チェンジ シルバー!」 「やあ、シルバー君。 お見事だね。 このガラスを交わすとは。」
「ベーサーマジック。 何をするつもりだ?」 「決まってるじゃないか。 君たちに消えてもらうのさ。」
ベーサーマジックが瞬きをするとニールも洋美も変身してしまった。 「これからが面白いショーの始まりだぜ。」
指を鳴らすと椅子が飛び回り始める。 「さあ、ピンク君には椅子に座ってもらおうか。」
「やめなさい!」 「無駄だよ。 このバッヂには逆らえないはずだよね?」
ベーサーマジックは腕を振る。 抵抗できないままケッセンピンクは椅子に咥えこまれてしまった。
「さあさあ、次は君たちだよ。」 ブラックとシルバーをテーブルが追いかける。
「こんな所で遊んでるわけにはいかないんだ。 なんとかならないのか?」 しかし二人もテーブルに捕まってしまった。
「さあ、これでお前たちの処刑をするだけだな。」 ベーサーマジックはトランプカードを取り出した。
「こいつに念力を込めればお前たちはズタズタに切り裂かれるんだ。 待ち遠しいだろう? すぐやってやるよ。」 マジックがカードを繰っている。
その手が止まった時だった。 ズドーン!
閃光が走ってカードが飛び散った。 「だ、だ、だ、誰だ?」
「ぼくだよ。」 「ケッセンブルー、、、。 どうやって?」
「このペンダントがお前の弱点を教えてくれたのさ。」 「俺も帰ってきたぜ。」
「ケッセンホワイトまで、、、。 ちきしょう! ぶっ潰してやる!」 「ピンクバトン! これでもやる気なの?」
ケッセンピンクがバトンを振るとマジックは万歳をして固まってしまった。 「やってやるのは俺たちだぜ。 シルバーパンチ!」
ケッセンシルバーに顎を打ち砕かれたベーサーマジックは爆発した。
「ロボットだぜ!」 ホワイトが西の空を指差すとマジックロボガ放射能を吹きながら暴れていた。
「出でよ! 装着合体 ダイエース!」
「あの放射能をまともに浴びちまったらロボガ腐ってしまう。」 「まずはホワイトフェンサーだ!」
だがマジックロボは軽々と交わしてしまう。 「これならどうだ! ブラックライフルだ!」
それでもマジックロボはたじろぐ様子を見せない。 「ブルー、あの目に注意しろ。 目を見たらバラバラにされちまうぞ。」
「オッケー。 じゃあ目潰しをしようじゃないか。」 「ドライブタイフーンね。 了解。」
ダイエースが両腕を広げて飛び上がる。 「電磁ネットだ!」
両腕から電磁プラズマを放射して目を塞ぐ。 「行くぜ! ケッセンジャー必殺武器 電磁剣 唐竹割!」
一撃でマジックロボは爆発した。
「それにしてもさあ、ブルーは何処で何をしてたんだ?」 「何処でって?」
「俺たちが混乱してる間さ、、、。」 「分かんないよ。 気絶して目が覚めたらとんでもない空間の中に居たんだ。」
「とんでもない空間?」 「そう。 基地には入れたんだけど、みんなには分からなかったみたいだな。」
「もしかして俺もそうだったのか?」 「たぶんな。 辛うじて正弘とは連絡が取れてたんだ。 おかげで助かったよ。」
「そうか。 ブルーもホワイトもベーサーが作り出した四次元と五次元の間に居たんだ。」 キールはベーサーレーダーに目をやった。
洋美は体育倉庫で気を失っている寛貴の姿を見ていたのか、、、? それとも?