麗華様は悪役令嬢?いいえ、財閥御曹司の最愛です!
私と正臣さんは、現在結婚休暇を取得中。新婚旅行先は、思い出の沖縄に決まった。
あの時絶望しながら眺めていた海は、キラキラと輝いて見える。
プライベートビーチで二人、波打ち際ではしゃいだ。正臣さんの髪はくしゃりとしていて、やっぱりそのふわふわな髪型が、私は好きだ。ひとしきり遊んだ後は、ビーチチェアに座りながら夕陽を眺めている。
私たちの結婚式は盛大に執り行われた。さすが北大路財閥といった豪華絢爛な披露宴は、各所の要人が集結し、主役も霞みそうだったが、幸せだった。北大路のお義父様のスピーチで、私への想いを数十年拗らせ続けていたことを発表された正臣さんは、見たこともないほど真っ赤になっていて大変良かった。
正臣さんはどうやら、幼い頃の正義感の塊だった私が好きだったようで、結奈に対してビシッと注意する姿にときめいていたのだとか。なんということ。
良い天気に恵まれ、沢山の人に祝われて、抱えきれないほどの幸せを感じた日だった。
その日の夜もまた、面白かった。
所謂『初夜』である。
同棲していても手を出さなかった正臣さん。私に嫌われないか怖くて、「触ってもいいか?」「キスしてもいいか?」と全てに許可が必要で。私もいっぱいいっぱいだったけれど、彼の必死さが可愛くて。何度も何度も名前を呼んで、キスをねだった。そして「あなたが好きよ」と唱えると、嬉しそうにする。あの可愛い生き物が、私の旦那様なのだ。
「何想像してる?」
「な、な、なにもっ!?」
初夜のことを思い出していただなんて言えなくて動揺する。だが、旦那様にはお見通しだったようだ。
「可愛い顔をしてた。早くベッドに戻ろう」
「だ、だめ! あと少し! 夕日が沈むのを見ましょう!」
「まぁ夜は長いしね」
「な! な!」
「可愛い」
私の気持ちを知った彼は、無敵になってしまった。
完璧すぎる私の旦那様は、私をとことん愛してくれる。
夕陽に照らされた彼の瞳がオレンジ色に輝いて。ふわふわの髪に光が差し込む。私はそっと彼に寄り添い、私たちの影は一つに重なった。
END
あの時絶望しながら眺めていた海は、キラキラと輝いて見える。
プライベートビーチで二人、波打ち際ではしゃいだ。正臣さんの髪はくしゃりとしていて、やっぱりそのふわふわな髪型が、私は好きだ。ひとしきり遊んだ後は、ビーチチェアに座りながら夕陽を眺めている。
私たちの結婚式は盛大に執り行われた。さすが北大路財閥といった豪華絢爛な披露宴は、各所の要人が集結し、主役も霞みそうだったが、幸せだった。北大路のお義父様のスピーチで、私への想いを数十年拗らせ続けていたことを発表された正臣さんは、見たこともないほど真っ赤になっていて大変良かった。
正臣さんはどうやら、幼い頃の正義感の塊だった私が好きだったようで、結奈に対してビシッと注意する姿にときめいていたのだとか。なんということ。
良い天気に恵まれ、沢山の人に祝われて、抱えきれないほどの幸せを感じた日だった。
その日の夜もまた、面白かった。
所謂『初夜』である。
同棲していても手を出さなかった正臣さん。私に嫌われないか怖くて、「触ってもいいか?」「キスしてもいいか?」と全てに許可が必要で。私もいっぱいいっぱいだったけれど、彼の必死さが可愛くて。何度も何度も名前を呼んで、キスをねだった。そして「あなたが好きよ」と唱えると、嬉しそうにする。あの可愛い生き物が、私の旦那様なのだ。
「何想像してる?」
「な、な、なにもっ!?」
初夜のことを思い出していただなんて言えなくて動揺する。だが、旦那様にはお見通しだったようだ。
「可愛い顔をしてた。早くベッドに戻ろう」
「だ、だめ! あと少し! 夕日が沈むのを見ましょう!」
「まぁ夜は長いしね」
「な! な!」
「可愛い」
私の気持ちを知った彼は、無敵になってしまった。
完璧すぎる私の旦那様は、私をとことん愛してくれる。
夕陽に照らされた彼の瞳がオレンジ色に輝いて。ふわふわの髪に光が差し込む。私はそっと彼に寄り添い、私たちの影は一つに重なった。
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