いつも側に…
朝食を終え、支度が出来た生徒達はロビーに集合する。


そして私も若葉も、もちろん支度は終わっていて、後はロビーに向かうだけ。

だけなんだけど。


緊張がピークに達してきた私は、部屋から出られなかった。




「はぁぁ…。」


隣から聞こえてきたのは、勿論若葉のため息。


「あのさ、いい加減にしないと田辺と中村に怒られるよ?」

「う、うん。」


分かってるけど…。



「私達のグループ、出発が一番最後なっちゃうよ?」

「…うん…。」






「だああぁぁぁ〜もう!早く行くよ!友季子の話を気にしたって仕方ないでしょ!?修学旅行が終わっちゃうじゃん!」

そう叫びながら、私の手を引っ張り歩く若葉。


「だ、だって…。」

「だってじゃな〜い!明日香が田辺を好きでも、田辺が明日香を好きでも、関係ないの!私達の修学旅行は今日と明日で終わっちゃうんだからね!?ぐずぐずしないでとっとと動く!!」


「……はい。」


確かに私の為に限られた時間を無駄にしちゃ駄目だよね?

ごもっともです。



…覚悟を決めて、頑張れ私!!


いつも通りに話せます様に。

いつも通り、いつも通り。

そう念じ(?)ながらロビーに向かった。




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