いつも側に…
それから私達はバスに乗り清水寺に向かった。


さすが観光地。


当たり前だけど、バスは清水寺に行く観光客やら私達の様な修学旅行生で溢れていた。



「しかしすごい混雑。学校もさ、修学旅行の時期を少しずらしたりすればいいじゃんねぇ。」


そう言いながら、若葉は苦笑いを浮かべていた。


確かに。

出来るものならそうして欲しい、なんて思った私は頷いていた。

なのに…。


「いいんじゃね?こんだけ沢山の人が同じ場所に向かうなら、明日香みたいなドジも降りるバス停間違えずに済むしな。」


隣にいた純ちゃんは、そう言って私の頭に手を置いた。



その途端、きゅんって…。

私の胸は締め付けられる様な音を立てる。



―ドクンドクン

心臓の音とか早くなって、どんどん顔が赤くなりそう。


なんでそんな優しい表情で私の顔を覗き込むの?



――友季子の話が頭を過る。



ここにもし、純ちゃんと二人きりなら……。


「好き」って伝えたくなる。


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