いつも側に…

そして私達は五条坂でバスを降り、清水寺に向かった。




「た、高いょ……」

「ちょっと明日香?もっとこっちに来なよ!すごい眺めだね〜。」


清水の舞台。

私の想像以上に高かった…

昔の人が作ったんだよね、これ?

壊れて舞台ごと落ちたりしないかな……?

なんて不安になってしまう。


若葉も中村君も楽しそうに下を覗いていた。


ちょっと無理……。

私あの場所まで行けないよ。



「明日香、先に戻ろうか?」

戸惑う私を見かねてか、純ちゃんは私の顔を覗き込んで、優しく言った。


「あ…うん。でも一人で戻るよ。純ちゃんも見て来て?」


せっかく来たんだし。

そんな気持ちで伝えたけど


「中村!佐野!俺達先に本堂出てるから!」


離れた所にいる二人にそう叫んで


「行こう。」


私の顔も見ないまま歩きだす。



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